会社辞めたいと感じることは、多くの人にとって一度は経験するかもしれません。しかし、実際に辞める決断をするのは容易ではありません。特に、辞めたい理由が会社や上司に起因する場合、その葛藤はさらに複雑になることでしょう。
しかし、個人の自由と尊重、平等な取り扱い、自己決定権といった基本的な人権が労働環境において尊重されるべきです。従業員は、自己決定権を行使し、自分のキャリアや幸福についての決定を下す権利を持っています。
退職は会社や上司に遠慮は無用
会社を辞める際、上司に対して遠慮する気持ちは理解できますが、自分の人生やキャリアについて決断を下すことは、自己責任の範囲内であるため、正直に伝えることが重要です。以下は、上司に遠慮せずに会社を辞める際の切り出し方の一般的な手順です。
- 辞める理由を明確にし、具体的な理由をまとめます。
- 上司との面談を設定します。
- 面談で、会社を辞める旨を伝えます。明確な理由を述べ、感謝の気持ちを表明します。
- 退職までのプロセスについて上司と確認します。
- 最後に上司や職場での経験について感謝の言葉を述べ、謝意を示します。
辞める理由によっては、上司に対して遠慮することもあるかもしれません。しかし、会社を辞めることは自分自身の人生の一部であり、自分自身が幸せで充実した生活を送るためには必要なことです。自分の意思を正直に伝え、適切な退職手続きを行うことが重要です。
しかし退職の自由は分かっているけど、長年職場で培った上司と部下という関係は当事者にしか分からない感覚があり、どうしても会社に遠慮してしまい、退職に踏み切れない方は意外に多いです。
そのような方には退職を代行してくれる業者に依頼する方法もあります。
退職の自由
「退職の自由」は民法によって保障されています。退職は個人の権利であり、雇用契約の一方的な解除として認められています。上司からの引き留めや理不尽な発言に対して、気にする必要はありません。
もし上司からの圧力や嫌がらせがある場合は、労働環境や労働法に関する専門家や労働組合に相談することも検討してください。自分の権利と尊厳を守るために必要な措置を取ることができます。
「退職の自由」とは
退職の自由とは、労働者が自己の意思に基づいて、自由に職場を離れることができる権利のことを指します。この権利は、民法で保障されており、労働者が自由に働く権利とともに、労働者の基本的な人権の一つとして位置づけられています。
退職の自由には、次のような特徴があります。
- 【自己決定権 】労働者が自己の意思に基づいて、職場を離れることができる権利であるため、労働者自身が退職の意思決定を行います。つまり、上司や企業側の意向によって退職を強要されることは許されません。
- 【退職届提出の自由】 労働者が自由に退職届を提出することができる権利であるため、退職の意思がある場合は、いつでも提出することができます。ただし、労働契約書に定められた退職の事前予告期間や手続きを守る必要があります。
- 【妨害禁止の原則】 労働者が退職することを妨害することは、労働者の人権侵害になります。企業側が、無理な引き止めや脅迫、報復などで、労働者が自由に退職できないように妨害することは、法律で禁止されています。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法(明治二十九年法律第八十九号)(令和三年法律第二十四号による改正)
円満退社
「円満退社」とは、労働者が自己の意志で退職し、かつ、雇用主との関係が良好な状態で退職手続きを完了することを指します。
円満退社をするためには、以下のようなことが大切です。
- 【事前に雇用主に伝える】退職する意思を事前に伝えることで、雇用主も対応しやすくなります。また、退職理由を明確にすることで、雇用主との認識の齟齬を避けることができます。業務引継ぎはきちんとする。(取引先に挨拶をするのを忘れずに)
- 【退職届を提出する】退職届は、退職の意思を正式に表明する書類です。労働基準法によって、退職届は原則として2週間前までに提出することが求められています。(会社の就業規則がある場合は会社側の規則を優先させます。出来れば1ヶ月前に退職の意思を伝えるのがベスト)
- 【退職後の対応について話し合う】退職後の対応については、退職前に話し合うことが大切です。例えば、退職日や退職手続きの方法、社会保険の手続き、退職金の支払いなどについて、雇用主と合意することが望ましいです。会社から貸与された制服はきちんとクリーニングに出して返却する。
円満退社は、労働者にとっても雇用主にとっても好ましい結果をもたらします。労働者は、新しい職場でスタートするための精神的余裕が生まれ、雇用主は、円滑な人材管理ができるため、組織の安定性を保つことができます。
会社を辞める際には、なるべく悪い印象は残さないようにしましょう。
- 健康保険被保険者証
- 制服
- 会社から支給された備品
- 社員証
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳
円満に退社しないとどうなる?
円満退社をしない場合、様々な問題が発生する可能性があります。以下に、円満退社をしないことがもたらす可能性のある問題をいくつか挙げてみます。
- 【悪い印象を与える】円満に退社しなかった場合、雇用主や同僚から悪い印象を持たれる可能性があります。このような印象が広がると、次の職場での就職活動にも悪影響を及ぼすことがあります。
- 【退職金が減額される】退職金が支払われる場合、円満に退社しなかった場合には、退職金が減額されることがあります。これは、労働契約書に規定された罰則条項によるものです。
- 【給与が未払いのままになる】円満に退社しなかった場合、給与が未払いのままになることがあります。特に、退職届を提出する前に離職してしまった場合や、退職届の提出期限を守らなかった場合には、未払いの給与が発生することがあります。
- 【指導監督機関からの指導や罰則】円満に退社しなかった場合、指導監督機関からの指導や罰則を受けることがあります。例えば、退職金の未払いや、退職手続きの不備によって、労働基準法違反として指導や罰則を受けることがあります。
以上のように、円満に退社しないと様々な問題が発生するため、できる限り円満に退社することが望ましいとされています。
未消化の有給休暇がある場合
一般的に、退職時には有給休暇を全て取得することが推奨されています。
日本の労働法においては、退職する際には未消化の有給休暇がある場合、その有給休暇分の代償金を支払うことが義務付けられています。
ただし、雇用契約や企業の就業規則によっては、有給休暇の取得期限や取得方法について細かな規定がある場合があります。退職時には、事前に雇用契約や就業規則を確認し、適切に有給休暇を取得するようにしましょう。また、退職する前に有給休暇を消化することができる場合は、積極的に取得することが大切です。
退職後にすること
退職後には、以下のようなことを忘れずに行いましょう。
- 【給与明細や源泉徴収票の確認】退職前の最終給与明細や源泉徴収票を確認し、給与の明細や所得税の確定申告に必要な情報を把握しましょう。
- 【退職金の受け取り手続き】退職金が支払われる場合は、支払い手続きを行いましょう。退職金の受け取り方法や税金の扱いについても確認しておくとよいでしょう。
- 【健康保険・厚生年金の手続き】退職に伴って、健康保険や厚生年金の手続きを行う必要があります。新しい健康保険や厚生年金に加入する場合には、手続き期限に注意しましょう。
- 【求人情報の収集】次の就職先を探すために、求人情報を収集しましょう。転職エージェントや求人サイトを利用するのも一つの方法です。
- 【自己分析やキャリアプランの立て直し】退職を機に、自己分析やキャリアプランの見直しを行うこともおすすめです。今後の方向性を考え、次のキャリアに向けて敬語・語彙力向上のためのビジネスマナー研修など準備を進めましょう。
心身のリフレッシュ
退職後の心身リフレッシュは、健康と幸福を維持し、新たな人生の段階に適応するために非常に重要です。
- 【旅行や趣味を楽しむ】 退職後は、時間的な制約が緩和されるため、旅行や趣味に時間を費やすことができます。新たな趣味を始めることもできます。
- 【ボランティア活動に参加する 】退職後は、社会貢献のためのボランティア活動に参加することができます。自分自身が興味を持つ分野のボランティア活動を選ぶことで、達成感ややりがいを感じることができます。
- 【自己啓発をする】 自己啓発をすることで、スキルアップや知識の向上、新しいアイデアの獲得につながります。自己啓発は、書籍やセミナー、オンライン講座などを通じて行うことができます。
- 【新たなキャリアを始める】 退職後に新たなキャリアを始めることもできます。自分自身が興味を持つ分野に転職することで、新たな可能性を広げることができます。
- 【健康管理に努める】 退職後は、時間的な制約が緩和されるため、健康管理に努めることができます。運動や食事の改善、定期的な健康診断などを行うことで、健康的な生活を送ることができます。
以上のように、退職後にすることは人それぞれですが、自分自身の興味や関心に合わせて、自由な時間を有効に使って充実した生活を送ることが大切です。
まとめ
転職は、新しいキャリアや環境を得るために必要なことですが、そのリスクも存在します。しかし、行動に移す勇気を持つことは素晴らしいことです。自己分析や情報収集、自己PRの作成、面接対策、人脈の活用、リスクの把握など、様々な準備をして転職活動を行いましょう。そして、失敗や断られることがあっても、諦めずに挑戦し続けることが大切です。最終的には、自分に合った職場で自己実現を果たすことができるでしょう。