自走回送とはどんな仕事?自走回送にはさまざまな種類があります。

バス・トラック

車両回送とは、車両を特定の場所から別の場所へ移動する作業のことを指します。この作業は、車両の製造メーカーやディーラー、レンタカー会社、輸送会社などで行われ、自走ドライバーはその実施に携わります。

自走ドライバーの仕事は、車両を安全かつ効率的に目的地まで運ぶことです。様々な種類の自動車やトラック、バスなどを運転し、適切な手順や規制に従って車両を移動させます。車両回送の目的は、新車のディーラーへの配送、顧客への納車、車両のメンテナンスや修理のための工場への移動など、さまざまです。

この仕事の重要性は、効率的な物流や顧客満足度の向上に関わっています。車両のタイムリーな配送やメンテナンスは、顧客の信頼を維持し、ビジネスの円滑な運営に欠かせません。また、自走ドライバーは、交通事故や車両の損傷を防ぐために安全運転に努めることも求められます。

次に、具体的な自走ドライバーの仕事内容と車両回送の目的・必要性について詳しく見ていきましょう。

自走回送の種類

自走回送

自走回送にはさまざまな種類があります。以下にいくつかの一般的な自走回送の種類を挙げます。

  1. 【新車回送】 自動車メーカーやディーラーから顧客へ新車を配送する作業です。自走ドライバーは新車を目的地まで運転し、顧客に引き渡します。
  2. 【レンタカー回送】 レンタカー会社が車両を異なる拠点間で移動させる場合に行われます。たとえば、需要が高いエリアから需要の低いエリアへ車両を移動させることで需要のバランスを調整したり、顧客の要望に応じて車両を異なる拠点へ提供するために行われます。
  3. 【メンテナンス回送】 車両のメンテナンスや修理を行うために、車両をディーラーや修理工場へ回送する作業です。定期的なメンテナンスや故障修理などの場合に自走ドライバーが車両を運転し、専門の施設で作業を受けます。
  4. 【車両移動】車両の配置変更や在庫管理のために、車両を異なる場所へ移動させる作業です。たとえば、特定の地域で需要が急増した場合には、車両をその地域へ移動させて需要に対応することがあります。
  5. 【イベント回送】イベントや展示会などで使用するために、車両を会場へ移動させる作業です。展示会やモーターショーなどでは、自動車メーカーや関連企業が車両を展示するために自走ドライバーが車両を運転して会場へ移動させます。

これらは一般的な自走回送の種類の一部ですが、実際にはさまざまなシナリオが存在します。車両回送の目的や必要性は、業界や企業の要件に応じて異なる場合があります。

自走回送は回送員が行う

基本、自走回送は回送員が専門に行います。

回送員が従業員ドライバーの代わりに車両を移動するのは、運送会社において一般的な実践です。トラック車両は貨物を運ぶための重要な資産であり、ドライバーはその運転と管理に責任を持つ重要な存在です。

一部の運送会社では、定期的な車両点検やメンテナンスのために従業員ドライバーを利用する場合もあります。しかし、点検やメンテナンスには時間やコストがかかるため、業務の効率化やコスト削減を図るために、回送員や専門のドライバーを活用することが一般的です。

回送員は、車両を安全かつ効率的に移動させる役割を果たします。運転技術やルートプランニングの知識を持ち、車両を目的地まで適切に移動させます。また、回送員は時間管理やスケジュールの調整も担当し、車両の点検やメンテナンスのスケジュールに合わせて移動を行います。

従業員ドライバーを利用せずに回送員を活用することで、運送会社はドライバーの人件費や労働時間の管理、運送業務のスケジュール調整などを効果的に行うことができます。また、専門のドライバーが担当することで、車両点検やメンテナンスの作業に従業員ドライバーの時間を割く必要がなくなり、効率的な業務運営が可能となります。

要するに、回送員が従業員ドライバーの代わりに車両を移動することは、運送会社において効率性とコスト削減の観点から一般的な選択肢となっています。

回送員は二人以上で行動

基本的に車両の引取りや納車は二人以上で行動、一人が足車(移動のための車両)を運転、その他の回送員はお客様の車両を運転します。

効率よく引取り

訪問先の交通事情や混雑具合を考慮してスケジュールを調整することも重要です。特に都市部では、時間帯や交通手段によって移動時間に大きな差が生じることがあります。渋滞を避けるため、移動時間の目安を設定してスケジュールを組むことが有効です。

  1. 契約先の業種やニーズが似ている場合、まとめて訪問することで効率を高めることができます。類似したお客様を同じ日に訪問することで、業務内容や提案内容を共通化し、時間を節約できます。
  2. 訪問先の交通事情や混雑具合を考慮してスケジュールを調整することも重要です。特に都市部では、時間帯や交通手段によって移動時間に大きな差が生じることがあります。渋滞を避けるため、移動時間の目安を設定してスケジュールを組むことが有効です。
  3. 訪問予定日前に契約先にアポイントメントを確認することも大切です。訪問先の車両が予定通り引き取れるか、都合の変更がないかを事前に確認することで、無駄な移動や待ち時間を避けることができます。

これらの手法を活用して、契約先の訪問スケジュールを効率的に組むことができます。ただし、実際のスケジュール作成には、契約先の要望や優先度、個別の事情を考慮する必要があります。

一日の納引50台~70台

トラック納車状況

自身が所属していた会社の回送員は9名、当日の運行スケジュールに合わせて行動、一日の納引目標が50台~70台、フル回転で走り回ります。

納車トラブルを防ぐために「納車地図を書く」

納車地図を書く人

車両を同じ回送員が引取りから納車までを担当することは稀です。そのような場合、引取り時に「納車地図」を作成して指示を明確にすることは非常に重要です。

納車地図は、納車担当者や他の関係者が車両を正確に元の場所に戻せるようにするための重要なツールです。

  1. 【駐車場記載番号】 もし駐車場に番号が割り当てられている場合は、その番号を明記します。これにより、担当者が正確な駐車スペースを特定できます。
  2. 【目印となる柱や建物】もし駐車場内に目印となる柱や建物がある場合は、それを特定するための詳細な説明を提供します。たとえば、柱の位置や色、建物の特徴などを明確に記載します。
  3. 【駐車場所への進入経路】車両を駐車場に戻すための正確な進入経路を指示します。道路の名前や交差点、特徴的なランドマークなどを利用して、担当者が迷わず目的地に到達できるようにします。
  4. 【運転席側の向きと停車位置の微妙な角度】 車両が元の位置に正確に戻されるために、運転席側の向きや停車位置の微妙な角度を詳細に示します。具体的な指示としては、道路に対する角度や隣接する車両との間隔などが含まれます。

納車地図は、視覚的に分かりやすく、具体的な指示を含んでいることが重要です。また、可能な限り正確な情報を提供することで、車両の迅速な納車と元の位置への正確な戻しを確実にすることができます。

スマホ機能を活用

トラブル防止のため納車地図を記入するものの、場所によってはなかなか地図上に記入しきれい時もあります、そんな時はスマホカメラ機能で現場写真を撮影しラインアプリで他の回送員に画像を送信します。

事前に車体のキズや凹みを撮影

お客様の車両も新しいものから古いものまで様々あり、中には最初からキズが付いてたり、凹んでたりしている車両もあります。

新しいキズや凹みはあらかじめ写真撮影しておきます、なぜなら回送員がキズや凹みの原因にされる時があるからです。あまり言いたくないのですが、キズや凹みをタダで修理させようとする社長さんがいるのです、これが現実なのです。

様々な車種の運転

回送員の仕事は、様々なタイプの車両を運転することが求められます。小型車から大型車、トレーラー、バス、ミキサー車など、幅広い種類の車両を取り扱うことがあります。また、同じ種類の車両でも軸数やハンドル位置などによって運転感覚が異なることもあります。

回送員は、各種車両の特性や操作方法に熟知し、様々な状況で安全かつ効率的に運転できる能力が求められます。例えば、道路整備専用車両は、道路の保守や環境整備を行うために特化した車両であり、左ハンドルのものも存在します。

回送の仕事は、多様な車両を運転できることが求められるため、その醍醐味の一つと言えるでしょう。さまざまな車両に対応し、状況に応じて適切な運転技術を駆使することが回送員の重要な役割です。

意外と残業が多い

回送業務では、状況によっては残業が発生することがあります。回送業務における残業が多くなる可能性のある要因をいくつか挙げます。

  1. 交通事情や天候の悪化により、予定通りに進行しない場合があります。特に都市部や高速道路などでの交通渋滞は、到着予定時間に影響を与えることがあります。
  2. 回送業務では、配送先での待機時間が発生することがあります。受取先の都合により、準備や手続きの遅延が生じる場合があります。中・小規模運送会社は車両に余裕がない為、日中ほとんどの車両は稼働してます。従って夕方以降の引取りがどうしても多くなります。
  3. 車両の故障や交通事故、急な配送要求など、予期せぬ事態への対応が求められることがあります。これにより、業務の延長や緊急対応が必要になる場合があります。
  4. 長距離の回送業務では、所要時間が予測しにくくなることがあります。休憩や運転時間制限に配慮しながら、安全かつ効率的に目的地に到達する必要があります。

これらの要因により、回送業務では残業が発生する場合があります。業務の特性や状況によっては、柔軟な対応や時間管理が求められます。

シャーシトラック移動の場合

トラック運転席の写真

トラックフレームにエンジンと運転席を設置しただけのトラックを通称「シャーシ車」といいます。聞きなれない言葉ですがこのシャーシ車そのものを運ぶ仕事が存在、皆さんに紹介します。

トラックメーカーは架装を行わないため、このようなシャーシ(フレーム)のまま出荷されます。出荷されたシャーシ車の回送方法は主にドライバーが運転する自走移動とキャリアカーに積んでの陸送移動です、キャリアカーが積むトラッは主に小型車両のため、大型車両や中型車両の回送はドライバーによる自走移動がメインです。

シャーシトラックとは

「シャーシトラック」とは、貨物自動車の一種で、荷台の代わりに「シャーシ」と呼ばれる車体骨格のみを備え、荷物を積み込むための床や壁などの構造物を持たない車両のことを指します。

一般的に、シャーシトラックはコンテナなどの荷物を運ぶために用いられ、荷台の形状や大きさに制限のある船舶や鉄道輸送などにも容易に積み込むことができます。また、荷台がない分車重が軽く、積載量を増やすことができるという利点もあります。

シャーシトラックは、日本では主にトラックヘッドと呼ばれる牽引車と、コンテナなどを取り付けることができる「コンテナチャーシ」の2種類に分かれています。また、海外ではフラットベッドトラック、シャーシキャブ、トレーラーチャーシなどと呼ばれることもあります。

自走回送のためにナンバー設置

日本の公道を自走回送で走行する場合、道路運送車両法により国土交通省の許可を受け、回送ナンバー(赤枠ナンバー)を設置しなければなりません。

まず初めに回送伝票を確認、車体番号や移動先などチェックし伝票と同じ番号の車両をメーカー工場内にある車両保管場所から探します。

あらかじめドライバーには自分専用の回送ナンバー(赤枠ナンバー)を会社側から渡されており、回送車両の前後に設置してから移動します。同時にドライブレコーダーの設置、キズチェック、燃料チェックなども行います。

指定されたルートを移動

チームで回送の場合6~7台並んで走行する場合もあります、そのため地域の住民や事故のリスクに配慮し、よほどの交通障害がないかぎり指定されたルートを走行します。

その為交通ルールや会社規定にはとても厳しいです。速度制限、車間距離、停止線を超えて止まってはいけない、歩行者を常に意識すること、車内では物を食べてはいけない、など約20項目あります。

会社側は抜き打ちで車両に設置しているドライブレコーダーで走行状況をチェックします。

シャーシ車の運転

シャーシ車のタイヤ軸部分は軽いため、雨での走行は自分が思っている以上に滑りやすくなっています。

貨物トラックのベテランドライバーでさえも最初は感覚の違いに戸惑います。

事故防止の観点から初めてシャーシ車を運転するドライバーに対して座学研修を行い、一定期間教育係の方が同乗します。

シャーシ車は車両自体が商品、目的地到着まで周りの車には配慮し続けなければいけません。

輸出者は左ハンドル

左側通行と右ハンドルの組み合わせは、日本の特徴的な交通状況です。右ハンドル車から左ハンドル車に運転の切り替えをする際には、最初は違和感を感じることが一般的です。しかし、適切なコツをつかむことで、左ハンドル車でも普通に運転することができます。

トラックの架装

箱型トラック

トラックはメーカーからシャーシの形態で出荷され、上部構造(架装、上物)は別途の架装専門メーカーによって行われることが一般的です。このプロセスは、トラックの用途やカスタマイズ要件に合わせて、適切な架装が施されることを可能にします。

架装専門メーカーは、トラックのシャーシに必要な上部構造を設計・製造・取り付けする役割を担っています。例えば、配送業者向けに荷台や車両後部への積載装置を設置する場合、建設業者向けにはクレーンや作業プラットフォームを追加する場合など、用途に応じた架装が行われます。

みなさんがよく目にする代表的な架装と言えばアルミバン(通称、箱車)ではないでしょうか。アルミバンとは、アルミで出来た箱をシャーシに備え付けた物をいいます。

その他にもさまざまな種類の架装があります、ダンプ、トレーラー、ミキサー車、タンク車など、言ってみれば走っているトラックの9割は架装したトラックと言えるでしょう。

チーム行動と単独行動

回送先や条件によってチーム行動か単独行動かが決まります。

モータープールは車両の保管、埠頭は船積みのための車両保管、どちらもそれなりの台数移動が必要です、この場合チームでの行動が必要です。

逆にお客様や営業所に回送する場合はだいたい1台か2台のため、単独で行動します。

交通費やガソリンの節約

チーム行動と単独行動どちらも目的地に車両を移動させるのは一緒です。異なるのは納車完了後に工場へ戻る手段です。

前述の通りチーム行動は足バスも一緒に行動するため回送終了後、足バスに乗車したらそのまま帰れます、一方単独で行動の場合、公共交通機関を利用して帰ります。

単独行動の場合、ガソリンや帰りのバス・電車の運賃節約が重要なカギです、なぜなら自走回送の報酬は完全出来高払いのため、頂いた報酬には、ガソリン代や交通費は含まれているからです。

一円でも節約出来たらそのまま節約した分は自分の報酬として手元に残る訳です。

自走回送の仕事メリット・デメリット

【メリット】

  • いろんな車種を運転できる、運転好きにはたまらない
  • 難しい作業はない、車両を移動するだけ
  • それなりの給料がもらえる
  • 普段走らないような道も覚えられる

【デメリット】

  • 残業が多い
  • 運転中は普段よりも神経を使う
  • 気の休まる時があまり無い

まとめ

自走ドライバーは、車両回送業務を担当する専門のドライバーです。彼らの主な仕事は、車両を目的地まで運転することであり、以下にまとめます。

  1. 【仕事内容】
    • 新車回送: 自動車メーカーやディーラーシップから顧客へ新車を配送する役割。
    • レンタカー回送: レンタカー会社が車両を異なる拠点間で移動させる役割。
    • メンテナンス回送: 車両のメンテナンスや修理を行うために、車両をディーラーシップや修理工場へ回送する役割。
    • 車両移動: 車両の配置変更や在庫管理のために、車両を異なる場所へ移動させる役割。
    • イベント回送: イベントや展示会などで使用するために、車両を会場へ移動させる役割。
  2. 【目的と必要性】
    • 顧客満足度の向上: 新車の納車やレンタカーの提供など、顧客の要求に応えることで顧客満足度を高めます。
    • 車両管理の効率化: 車両の点検やメンテナンス、配置変更などの作業を円滑に行い、車両管理の効率化を図ります。
    • タイムリーな業務遂行: 指定された期限や時間枠内に業務を遂行することで、スケジュールの遵守と業務効率を確保します。
    • 車両の安全性確保: 安全運転を徹底し、事故やトラブルのリスクを最小限に抑え、車両の安全性を確保します。
この記事を書いた人
てつ

➤こんにちは「てつ」と申します。
➤神奈川県在住
➤職業 運転手
長年運転手を続けているのですが、最近では交通事情や環境問題について深い関心を持つようになり、自分ができることを考えながら、日々の運転に取り組んでいます。
近年では環境問題に配慮した車両や燃料の使用も求められており、運転手は省エネやエコドライブなどの取り組みが重要です。
➤このブログでは気になった事や、さまざまな経験を元に記事を作成し紹介しています。

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