コンクリートはなぜ固まる?粒子を結び付ける「水和反応」とは?

コンクリート

コンクリートが固まる主な原因は、「水和反応」です。水和反応は、コンクリート中のセメントと水が化学反応を起こして硬化する過程を指します。この反応により、セメント中の成分が水と結びついて硬い結晶が形成され、粒子同士が結びついてコンクリートが堅固になります。この水和反応が進むことで、コンクリートは強度を持つ固体となります。

水和反応とは

コンクリートが固まるのは、水がセメント粒子と科学反応を起こして粒子どうしを相互に結び付け、流動性を低下させるからです。この反応を水和反応といいます。

セメントと水を混ぜ合わせると、両者は激しく化学反応して発熱します、この反応によって「セメント水和物」とよばれるものができます。

「セメント水和物」はコンクリートの中で砂や砂利を結びつける接着剤のような役割を果たし、強固なコンクリートを作ります。

「セメント水和物」ができるキッカケはセメントと水を混ぜた数分後に開始され、1日後にはセメントが固まり、1ヶ月程度でコンクリートの強度は80%まで上がると言われます。コンクリートの強度は日にちの経過とともに強くなり、1ヶ月位で大半の反応が終わります。

セメントとは

セメントとは

セメントにはさまざまな種類があり、コンクリートの打設時の条件、完成後の構造物の用途などによって、それぞれ使い分けられています。

一般に、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメントの3つに分類されます。

ポルトランドセメントの主な原料は、石灰質物質(主成分が炭酸カルシウムの石灰石)と粘土質物質(主成分がシリカの軟性粘土ローム)です。

混合セメントは、セメントの製造過程で超微粉末を主成分とするさまざまな混合材料を混ぜたものです。このほか、特殊な用途に使われる特殊セメントがあります。

原料は、ほとんど国内で入手できますが、採掘に際しては自然環境と天然資源枯渇への配慮が必要です。また、1500℃近い高温で焼成するため、使われる燃料の消費と排出される二酸化炭素による影響も考えなければなりません。このため、原料の粘土や酸化鉄の代りに産業廃棄物なども使われます。

コンクリートとセメントは何が違う

コンクリート構造物の写真

なんとなく分かっているつもりでも「セメントとコンクリートの違いは?」と聞かれると「はて?」となる人が多いのではないでしょうか。ここではその違いを説明しておきましょう。

通常目にするセメントは、褐色の袋に詰められている薄緑がかった灰色の粉末です。水と反応して固まったセメントは、強固なコンクリートを作るために骨材(砂や砂利)どうしをしっかりと結合します。セメントという言葉には「接着する」「結びつける」という意味があり、このような性質をもつ材料、結合剤を示す言葉でもあります。

セメントに水を加えてできる物質をセメントペースト、これに砂を混ぜたものをモルタル、さらに砂利を加えて固めたものをコンクリートと言います。

固まる前の柔らかいコンクリートは、フレッシュコンクリート(生コンクリート)と呼ばれています。また、セメントに加える水については、フレッシュコンクリート1m³中に含まれる水量を「単位水量」、セメントに対する水の重量比を「水セメント比」といいます。

骨材どうしを結びつけるために必要なセメントの量は、骨材の表面積や骨材間の空隙に比例します。セメントは、コンクリートの構成材料の中で体積の約20%を占めますが、最も高価なものなので、要求性能を発揮しつつセメント量をできるだけ少なくすることが、技術上の課題となっています。

コンクリート骨材

コンクリート骨材

普通コンクリートの比重は2.2~2.3ですが、これより小さな比重(1.2~2.0)のものを軽量コンクリート、大きな比重(2.5~6.0)のものを重量コンクリートと呼びます。普通コンクリートを構成する原材料の比重は、セメントが3.15、水が1.0、骨材が2.5~2.8程度です。さまざまな用途に合ったコンクリートをつくるため、容積の70%を占める骨材に、より軽い骨材、より重い骨材を用いてコンクリートの比重を調整します。

軽い材料

軽量コンクリートつくる軽量骨材としては、比重1.3~1.8の細骨材(砂)、比重1.0~1.5の粗骨材(砂利)を用います。

軽量骨材の種類としては、大きく分けて天然軽量骨材と人工軽量骨材があります。

天然軽量骨材には、軽石、溶岩、火山礫などあります。骨材自体の強度は小さく、吸水率が大きいので、主に耐火被覆材や断熱材として使われます。吸水率が大きいということは骨材が吸水してしまうので、配合に際して、この点を考慮して水量をきめます。

人工軽量骨材は、けつ(頁)、岩、粘土、フライアッシュなどをロータリーキルン(回転窯)で1000℃~1200℃に熱して、焼成して作ります。

そのとき、けつ(頁)岩、粘土に含まれる気化物質の作用によって、内部に多数の微細な気泡をもつ多乳体となり、表面は被膜で一様に覆われます。この人工軽量骨材は強度が大きく、吸水率がは小さいので、構造用コンクリートとして広く使われています。

軽量骨材は1950年ごろから、建築物の高層化に伴い建築部材をできるだけ軽くしたいという要望を受けて、火山礫を用いることから始まりました。

1964年には、けつ(頁)岩を焼成した人工軽量骨材が生産され始めました。

重い材料

重量コンクリートをつくる重量骨材には、鉄、砂鉄、重晶石、褐鉄鉱、磁鉄鉱、赤鉄鉱などが用いられます。比重は鉄で7.85、重晶石で4.2~5.3、赤鉄鉱4.5~5.2、砂鉄で4.0~5.0、褐鉄鉱で2.8~4.3です。

鉄は比重は大きいものの、ほかの重量骨材と比べて高価になります。より安価になものでは、砂鉄、磁鉄鉱があり、重晶石はやや軟質です。蛇紋岩は比重は2.4~2.7と大きくありませんが、中性子を減速させる結晶水を重量の10%~13%ほど含むため、放射線遮蔽用コンクリートに使われます。

放射線遮蔽用には、強度、耐久性のほか、条件として、①比重や化学成分が均一はこと、②乾燥収縮や温度応力によるひび割れを生じないこと、➂放射線の照射によって有害な放射性物質を生じないこと、などが求められます。

1956年には、わが国初の原子炉容器が作られましたが、このコンクリートに磁鉄鉱が重量骨材としてはじめて使われました。

重量コンクリートでは、通常の工法のほかに、より均質なコンクリートをすくるためにあらかじめ重量粗骨材を詰めておいて、そこに流動性のよいモルタルを注入するプレパクトコンクリート工法も使われます。

コンクリート劣化の主な原因

コンクリート劣化の主な原因

アルカリ骨材反応

骨材に含まれるある種の鉱物と、セメントベース中に存在する水酸化アルカリとが反応する現象を、アルカリ骨材反応といいます。このアルカリ骨材反応が起きると、コンクリートの耐久性が大きく損なわれます。

骨材の中にシリカ(二酸化珪素)が含まれている場合、「アルカリシリカ骨材反応」といってシリカゲルが生成、このシリカゲルが水を吸って膨張すると、膨張圧力によってコンクリートに網目状のひび割れを発生させます。

この反応を制御するためには、骨材中の余分な反応シリカ分、コンクリート中の余分な水分とアルカリ分を取り除くことが有効。

事前にシリカ成分の反応の有無を試験によって確かめ、低アルカリ性のセメントや、反応抑制効果をもつ混合セメントを用いることで反応を抑えます。

凍害

文字どおりコンクリート中の水分が凍って起きる劣化です。

水は凍結すると体積は約9%膨張するため、ひび割れを生じます。気温の変化によって凍結、解凍が繰り返されると、ひび割れがさらに進行し、コンクリートの表面が大きく剝離や剥落したりして構造物に損傷を与えます。

こうした凍結を防止するには、水セメント比を小さくするか、AE剤などの混和剤を使うと効果的。

AE剤を使うとコンクリート中に「エントレインドア」と呼ばれる比較的大きな気泡ができ、水圧が解放され組織の破壊を防ぎます。

コンクリート内の鉄筋が錆びる

強アルカリを示すコンクリートの中では、鉄筋は表面に科学反応を不活発にする被膜が作られ、酸素に触れても錆びません、しかし、コンクリートが中性化して10pH以下になると被膜が破壊され、鉄筋が酸素と水によって電気化学的に活性化し、錆び始めます。

コンクリートの中性化は表面から始まり、鉄筋の位置まで中性化が進むと、鉄筋が錆びて膨張します、すると、ひび割れが発生し、そのひび割れによって鉄筋が直接空気に触れて、さらに錆びが進行します。このとき錆びは、もとの鉄の2.5倍にまで膨張し、圧力を加えます。

中性化の速度は、セメントの種類、骨材の透気性、水セメント比、かぶり暑さなど施工の良否、環境条件など多くの因子によって変わります。

たとえば、水セメント比を小さくするとセメント中の空隙が少なくなるために、中性化の速度は小さくなります。また、十分に締め固めれば密実になって水を通しにくくなるために、中性化を遅れさせることができる。このほか、施工中にひび割れが発生するなど、施工不良による欠陥があると、そこから局部的に中性化が進行します。

塩害

コンクリートには、しばしば塩害の問題が発生します。塩害は、塩分が含まれた水がコンクリートに浸透し、塩分が結晶化することで引き起こされます。この結果、コンクリートは膨張し、クラックが生じたり、表面がはがれたりすることがあります。

塩害は、主に海水や塩分が含まれた地下水が原因となります。また、冬季に道路に使用される除雪剤も塩害の原因となります。

コンクリートマンションは、耐久性が高いとされていますが、塩害によって寿命が短くなることがあります。そのため、建物の管理者は、定期的な点検や補修を行うことが必要です。

塩害の対策としては、コンクリート表面の防水処理や、建物周辺の排水設備の整備が有効です。また、建物の設計段階で、塩害に対する耐久性を考慮した設計が行われることも重要です。

「塩化物の供給源」


練り混ぜ時の成分に含まれるもの

  • 海砂
  • 海砂利
  • セメント
  • 緩和剤
  • 練り混ぜ水

共用中に外から供給されるもの

  • 海洋での海水との直接接触
  • 海風による塩の付着
  • 寒冷地での凍結防止剤

塩害対策として、コンクリートの表面を塗装したり鉄筋の表面に防錆剤を塗るほか、鉄筋のかぶり暑さを増やす、鉄筋に加わる応力を低く抑える、などの対策を施します。

コンクリートJIS規格

コンクリートJIS規格

JIS規格とは、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」規定といって、製造設備の整った工場で規格セメントと試験適合骨材を使用、それぞれを計量し、規定適合した固定ミキサーにて練り混ぜ、練りあがったフレッシュコンクリート(通称で生コンといいます。)を攪拌できる運搬車にて規定時間内で運搬することをいいます。

まとめ

コンクリートが硬化するプロセスは水和反応によるもので、この反応が主にセメントと水の間で起こります。セメントは主にシリカなどの鉱物成分から作られ、水と反応することで水酸化カルシウムなどの化合物が生成されます。この反応によってセメント中の微粒子が結合し、コンクリートの堅固な構造を形成します。

具体的な反応式は複雑ですが、簡単に言えば、水和反応によって硬くて頑丈なゲル状の物質が生成され、これがコンクリートを固めるのです。硬化が進むにつれて、コンクリートは耐久性が向上し、建築や構築工事において安定した素材となります。この特性は、コンクリートが多くの建築プロジェクトで使用される主な理由の一つです。

この記事を書いた人
てつ

➤こんにちは「てつ」と申します。
➤神奈川県在住
➤職業 運転手
長年運転手を続けているのですが、最近では交通事情や環境問題について深い関心を持つようになり、自分ができることを考えながら、日々の運転に取り組んでいます。
近年では環境問題に配慮した車両や燃料の使用も求められており、運転手は省エネやエコドライブなどの取り組みが重要です。
➤このブログでは気になった事や、さまざまな経験を元に記事を作成し紹介しています。

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