高速道路バス停（バスストップ）は、高速バス専用に設けられた停留所で、高速道路の本線上やサービスエリア内などに配置されています。
一般車も利用できるのか疑問に思う方が少なくありませんが、この施設は高速バス専用であり、一般車の進入や停車は原則禁止です。
高速道路バス停の役割や設置場所、一般車が利用できない理由を分かりやすく解説します。
高速道路バス停を一般車は利用はできない理由
高速バス停（バスストップ）は、一般の車両による利用が禁止されていることが一般的です。
高速道路のバス停留所において、安全性や交通効率は重要、高速道路は高速かつ密度の高い交通が行われる道路であり、特に大型車両などの高速走行車両が多いため、安全性の確保が非常に大切です。
道路交通法によって規制されている
一般車両の利用禁止は、道路交通法によって定められています。
バス停留所付近で一般車は駐停車出来ない。
道路交通法第44条により、停留所の標識板（標示柱）から半径10メートル以内の部分は、バス運行時間中は反対車線を含め一般車両の駐停車禁止
第四十四条 車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分（当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。）
道路交通法（昭和三十五年法律第百五号）施行日： 令和５年4月１日
バスが出入りする際のスペース確保と乗降客が安全に降りたり乗ったりできるようにするため規制です。
周囲の交通状況や道路標識によっては、一時的に駐停車が許可されている場合もあるので、確認することが重要です。
高速道路、本線車道上では駐停車禁止
高速道路は、車の移動速度が速く交通量が多いため、駐停車は非常に危険、駐停車することによって交通事故や渋滞、混乱を引き起こす恐れがあるため、法律によって明確に禁止されています。
例外として、以下理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合は認められています。
第七十五条の八 自動車（これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。）は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
一 駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
三 乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
四 料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
道路交通法（昭和三十五年法律第百五号）施行日： 令和５年4月１日
駐停車違反の反則金と違反点数
日本の道路交通法に基づく違反行為として、高速道路上やSA/PAのバス停にバス以外の車両が駐停車することは禁止されています。
この駐停車違反行為に対しては、以下のような罰則が科せられます。
| 大型車等 | 普通車 | 二輪車 | |
| 反則金額 | 15,000円 | 12,000円 | 7,000円 |
| 違反点数 | 2点 | 2点 | 2点 |
高速道路バス停の場所
高速道路バス停は、高速道路を走行する路線バスが本線から降りることなくお客様が乗降できるよう、高速道路の管理区域内に設置された専用施設。
多くの場合、高速道路本線の路肩付近や退避帯を拡張した場所に設けられており、高架区間や盛土区間では、地上と連絡するために階段やエレベーター、地下通路が併設されてい、利用者は一般道から徒歩でアクセスできます。
歩行者の利用が前提
高速道路バス停は、歩行者の利用が前提となっています。ただし、これは「徒歩で安全にアクセスできる専用通路がある場合」に限られます。
高速道路本線を横断したり、路肩を歩いてアクセスすることは出来なくなっており、必ず指定された通路を利用する必要があります。
SA・PAにある高速道路バス停留所
SA・PA内に併設されるタイプ
一部のSA・PAでは、敷地内または出入口付近に高速バス専用の乗降場所が設けられています。
- 高速バスはSA・PAに進入して停車
- 利用者はSA・PAの駐車場や施設から徒歩で利用
- 一般車はバス停区画への進入は不可
このタイプは、利用者にとって分かりやすく、休憩施設も使えるのが特徴です。
SA・PA直結（本線外設置型）
SA・PAの近くに、バス専用停留所を別途設置しているケースもあります。
- 見た目はSA・PAの一部に見える
- 実際は高速道路バス専用施設
- 一般車の停車・送迎は不可
実際に起きているトラブル例
高速道路バス停は、一見すると一般車でも利用できそうな構造に見える場合があり、誤解によるトラブルが後を絶ちません。
一般車が誤って進入し、バスが停車できなくなる
最も多いトラブルが、一般車が高速道路バス停に進入・停車してしまうケース、ナビの案内や「路肩の広いスペース」と誤認し、そのまま停車してしまう例が見られます
この場合、本来停車する予定だった高速バスは、
- バス停を通過せざるを得なくなる
- 本線上で急減速・急進路変更を強いられる
といった危険な状況に陥り、結果として後続車との追突事故寸前の事態になることもあります。
また、「人の乗り降りだけなら大丈夫だろう」と考え、送迎目的で停車する一般車も、特に夜間や雨天時は視認性が悪く、実際に追突寸前の事例も報告されています。
Uターン・切り返しによる事故
SA・PA直結バス停で多いパターンが、誤って進入した一般車が「間違えた」と気付き、その場でUターンや切り返しを試みるケースです。
高速道路バス停は、本線と近接している、十分な転回スペースがない構造が多く、後続車やバスと接触するリスクが高まります。
特に大型車が関係すると、物損だけでは済まない事故につながる可能性があります。
バス利用者の安全が脅かされるケース
一般車の誤進入は、バス利用者にも直接的な危険を及ぼします。
- 降車した乗客のすぐ近くに一般車が停車する
- 乗降中のバスの横を一般車が通過する
といった状況が発生すると、歩行者との接触事故につながりかねません。
高速道路バス停は本来、歩行者とバスの動線を分離して設計されていますが、一般車が入ることで安全設計が崩れてしまいます。
管理者対応による通行トラブル・渋滞
一般車の誤進入が発覚すると、道路管理者や警察が対応に入る場合があります。
- 誘導のため一時的に車線規制
- バスの運行遅延
- 周辺区間の渋滞発生
など、他の利用者にも大きな影響が出ることがあります。
SA・PA深刻な大型車用の駐車場不足430休憩の影響も
夜間、とくに深夜帯のサービスエリア（SA）やパーキングエリア（PA）では、大型トラックで駐車枠が埋まり、休憩場所を確保できない状況が頻繁に発生しています。
- 夜間は長距離トラックが集中
- 大型車枠が常に満車
- 次のSA・PAまで距離がある
430休憩の影響も（4時間連続運転ごとに30分以上の休憩を取らなければならない）
最後に
高速道路バス停とは、高速道路上に設けられた、高速バス専用のバス停のことで、一般のバス停とは異なり、高速道路を利用する高速バスの利用者が利用することができます。
しかし、真夜中高速道路を走行中、バス停留所付近で待機している車両をたまに見かけますが、違反行為であることを認識し、駐停車しないように気を付けなければ行けません。
近年では、一般車の誤進入や短時間停車によるトラブルが実際に発生しており、バス運行の妨げや追突事故寸前の危険な状況につながっている。見た目で判断せず、絶対に進入・停車しないことが重要。
