コンクリート構造物には高強度化のために鉄筋が使用されています。
近年、超高層マンションや高速道路連絡橋、大型貯蔵タンクなどの建設が進む中で、コンクリートと鉄筋の高強度化が求められています。
鉄筋はコンクリートの圧縮力には強いが引張力に弱い特性を補い、構造物の強度と耐久性を向上させる重要な補強材料です。
鉄筋の役割

鉄筋コンクリートを作る際に、鉄筋の配置は非常に重要です。
鉄筋はコンクリートに引っ張り強度を与えるため、適切に配置しないと、コンクリートの強度が低下する可能性があります。
以下に、鉄筋の配置についての基本的な考え方を紹介します。
- 鉄筋の主な役割は、コンクリートが引っ張り応力を受けた際にその応力を分担することです。そのため、引っ張り応力がかかる梁や柱の上部には、鉄筋を適切に配置する必要があります。
- 鉄筋の配置では、建築基準法などの規定に従い最小間隔を守ることが重要、適切な間隔を確保することで、コンクリートの強度を維持できます。
- 鉄筋の太さや種類は、コンクリートの強度や構造物の形状に応じて適切に選定する必要があります。
鉄筋をコンクリートに組み合わせることで、構造物の強度と耐久性が向上し、安定性が高まるという利点があるということです。
鉄筋コンクリートの強度を高める
高強度な鉄筋には直径40~50㎜の太径異形鉄筋を用いることで、過密な鉄筋の配置は避けられますが、人力での配置は困難になります。
そこで、鉄筋をあらかじめ組み立てヤードで柱、梁、壁、床などの部位ごとに組み立て、それをクレーンでつって型枠のなかに組み込む工法「鉄筋先組工法」、「プレファブ鉄筋工法」などで、工事全体をスムーズに進めます。
組み立てた鉄筋をつなげる
鉄筋と鉄筋をつなぐ継手には主に3種類、従来から行われてきた重ね継手に加えて、ガス圧接継手も広く採用されています。

重ね継手
重ね継手は鉄筋の応力を、その応力に応じた所定の長さを隣り合う鉄筋と重ねることで伝えるものです。
ガス圧接継手
ガス圧接継手は、直径30㎜程度の異形鉄筋どうしを突き合わせて加圧し、ガスで加熱して溶接するものです。
高強度の太径鉄筋を継ぐには、より信頼性の高い「エンクローズ溶接」や「フュラッシュバット溶接」が使われます。
- 「フュラッシュバット溶接」は接合しようとする鉄筋を近づけ発生する火花で鉄筋の接合部を十分に熱したのち、急速に圧力をかけて接合します。
- 「エンクローズ溶接」は接合しようとする鉄筋の間に8~20㎜の隙間を作り、溶接金属を溶け込ませて接続するものです。
ねじ鉄筋継手
直径が40~50㎜の太径異形鉄筋では、ねじ鉄筋継手が用いられます。
鉄筋の端部にねじを切り、同じく内部にねじを切ったカプラーと呼ぶ鞘管でねじ込んでつなぎます。ガス圧接継手は工費は安いものの、作業条件のよって品質が安定しません。
ねじ鉄筋継手は熟練を要せず、接合強度の信頼性は高いですが、工費が高いのが難点。
鉄筋コンクリートをつくる

型枠は、フレッシュコンクリートを打ち込み、硬化させ、所定の形につくるためのもので、コンクリートに接するせき版と締めつけ材から構成されています。
コンクリートを打ち込むときに型枠が動いたり、変形したりしないように、しっかりと固定します。
型枠と支保工の組み立てが終わったら、フレッシュコンクリートを打ち込み、そして一定の養生期間を経て十分に硬化し、コンクリートの自重や作業による荷重で壊れない状態になったら、型枠を外します。
鉄筋コンクリート型枠の種類
合板や鋼版などの一般的な型枠の他に、特殊な型枠として、「打ち込み型枠や透水型枠」などがあります。
透水型枠は、余分な水分や気泡を外へ逃がす機能を持った型枠です。これを使うと、コンクリートの表面の水セメント比が低減され、コンクリートの強度が増加するとともに、密実で耐久性も向上します。
このほか、人手では組立てられないような大型パネルを、ユニットとしてあらかじめ組み立てておいて、クレーンで打ち込む場所につり込み、設置する方法もあります。
この大型型枠は、組み立ての手間を省き、型枠工の不足を補うために、生まれたもので、同じ形状の型枠を繰り返し使える場合に効果のある工法です。
コンクリートを打ち込む方法

コンクリートポンプ車
現場内で、フレッシュコンクリートを打ち込む場所まで運ぶにはいくつかの方法がありますが、最も広く行われている方法がポンプによる圧送です。
コンクリートポンプ車でフレッシュコンクリートに圧力を加え、輸送管で打ち込み場所まで送り込み、筒先から型枠の中に流し込みます。
一般に用いられるポンプの圧送能力は、水平距離で600mていど垂直距離で100m程度で、圧送量は1時間当たり80m³程度です。
直接打ち込む
直接ミキサー車がポイントまで運び打ち込む方法や、天井クレーンにつるされたバケットからフレッシュコンクリートが打ち込む方法があります。
コンクリート打設
打設が始まると、型枠のなかのコンクリートは型枠が透明でないかぎり、見ることができません。硬化したコンクリートがよいコンクリートになるかどうかは、打設の善し悪しで決まるので、打設には十分配慮することが大切です。
- 型枠の中で材料が分離しないように、均質、均等に打ち込む
- 鉄筋や鉄骨の隙間や型枠の隅々までよく充填する。
- 空気が大きな気泡になったり、水の塊ができないように、密実に充填する。そのためには、フレッシュコンクリートの内部に振動する棒状のバイブレーターを挿入して、フレッシュコンクリートに直接振動を与え、締め固める。
- 一定の速度で連続して打ち込む。フレッシュコンクリートを流す速度が速すぎると、鉄筋や型枠に大きな負担がかかるので、速度は速すぎないようにコントロールする。
最後に
鉄筋をコンクリートに組み合わせることは、建築や土木工学において重要な役割を果たしています。
鉄筋はコンクリート構造物の強度と耐久性を向上させ、割れや破損を防ぐために使用され、これにより構造物は安定性を高め、長期にわたる使用に耐える耐久性を獲得します。
鉄筋の適切な配置と施工は、建築物や構造物の安全性と信頼性を確保するために欠かせません。