社会人としての成功を収めるためには、ビジネスマナーの重要性を理解し、適切な振る舞いを身につけることが必要、特に新しい環境でのスタートとなる新社会人にとって、これらのスキルを習得することは非常に重要です。
言葉使いもその中でも重要な要素です。適切な敬語や丁寧な表現は、他者への尊重を示し、ビジネス上の信頼を築くために不可欠、適切な言葉遣いは、プロフェッショナリズムや信頼性を高める助けとなります。
新社会人としては、これらのスキルを習得することで、スムーズに職場環境に適応し、キャリアの成長に繋がります。逆に、これらの知識やスキルが不足していると、他者との関係悪化やビジネスチャンスの逸失など、マイナスの影響を受ける可能性があります。
事前にマナーや常識を身につけることで、物事を有利に進められることは言うまでもありません。以下では、職場でよく使う言葉遣いを、私の経験を元に紹介します。
5種類の敬語
文化庁指針では,敬語を,【尊敬語・謙譲語・丁寧語】の3種類で理解出来るが、より深く理解するためには、更に詳しくとらえ直す必要がある。として次の5種類に分けて解説してます。
- 尊敬語 ( いらっしゃる・おっしゃる」型)
- 謙譲語Ⅰ ( 伺う・申し上げる」型)
- 謙譲語Ⅱ ( 参る・申す」型)
- 丁寧語 ( です・ます」型)
- 美化語 ( お酒・お料理」型)
参考:文化庁敬語の指針
敬語とは
人が自らの意思や感情を人に伝える際に古くから使われてきた言葉、相手や周囲の人と,自らの人間関係・社会関係についての気持ちの在り方を表現するというものです。また立場や役割の違い、年齢や経験の違いなどに基づく「敬い」や「へりくだり」などの気持ちを表現する言語表現が敬語です。
参考:文化庁敬語の指針
よく使う敬語
ビジネスでよく使われる敬語は、それ程多くなく、以下のような基本的な敬語を覚えて普段から使うことで、自然に身に付きます。
【尊敬語】 | 【謙譲語】 | |
会う |
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来る |
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言う |
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借りる |
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受け取る |
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気に入る |
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教える |
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座る |
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思う |
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尋ねる |
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帰る |
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訪ねる |
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聞く |
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見せる |
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知っている |
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見る |
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読む |
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職場でよく使う「言い回し」
職場でよく使う「言い回し」は、ビジネス環境でのコミュニケーションや業務の進行において一般的なフレーズや表現を指します。これらの言い回しは、専門的なコミュニケーションやプロフェッショナルな対話に役立ち、広く使用されています。
お供します
目上の人と一緒に行動する時は「ご一緒します」は失礼、この場合「お供します」が正解
いかがいたしましょうか
上司に判断を仰ぐときには「いかがいたしましょうか」が基本。「どうしますか」はNG
お申しつけください
よくある間違いが「お申し出ください」や「申し出る」です、上司やお客様には「お申しつけください」と言いましょう
お手数をおかけして、恐れ入ります
何かをしてくれた相手に向けるお礼の表現
ご足労いただけませんか
相手にこちらへ来てもらう際の表現、「来ていただけませんか」では不十分。
お持ちください
間違いやすいのが「ご持参ください」という表現、「持参」は「持って参る」という謙譲語なので、「ご持参ください」は失礼な表現。
お言葉に甘えて
相手から厚意を受けたら・・「どうも」や「すみません」では相手に感謝が伝わりにくいため、「お言葉に甘えて」の表現がいいです。
電話対応
失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか
電話を受けたとき、相手が名乗らなかったときのたずね方、敬意を表すことができます。
復唱させていただきます
電話で要件を伝えられたら「復唱」して再確認しましょう。
夜分恐れ入ります
夜遅い電話での連絡は必ず「夜分恐れ入ります」と言いましょう。
おことずてをお願いしたいのですが
相手が不在で用件がある場合の言い回し、「伝言をお願いしたいのですが」より好印象。
相手を不快にさせない断り方
遠慮させていただきます
「お断りします」だと角が立つため、このような表現がいいです。
よんどころない事情で
上司から誘われて断りたいけど、理由をはっきり言えない時に便利。
今回は見送らせていただきます
契約や商談を最終的にお断りする際に表現、できる限り相手に敬意を払った断り方。
お役に立てず残念です
断った後に「お役に立てず残念です」と言いましょう、相手の感じ方が変わります。
重複表現
重複表現(Redundancy)は、文やフレーズで不必要な情報が繰り返されることを指します。通常、文章を簡潔かつ効果的に表現するためには、不要な重複を避けることが大切です。
以外に知らない重複表現、ついつい使ってしまいがち、よく考えるとなんか違う事に気が付きます、参考にして下さい。
◆まだ未定
「まだ」と「未」が重複・・「未定」は未だ定まらずの意味。「未だ」と同じ意味の「まだ」を付けるのは間違い。
◆思いがけないハプニング
「思いがけない」と「ハプニング」が重複・・「ハプニング」は「思いがけない事件」のことなので重複します。
◆お歳暮のギフト
「お歳暮」と「ギフト」が重複・・お歳暮もギフトも「贈り物」という意味。
◆返事を返す
「返」が重複・・「返事」は応える言葉、さらに「返」を付けると重複します。
◆一番最初
「一番」と「最」が重複・・「最」は最もの意味でそれ自体「一番」の意味です。
◆屈辱を晴らす
「屈辱」と「晴らす」が重複・・「屈辱」は「恥をすすぐ」という意味のため改めて晴らす必要がない。「屈辱する」が正解。
◆犯罪を犯す
「犯」が重複・・「犯罪」は罪を犯すという意味。
◆最後の切り札
「最後」と「切り札」が重複・・「切り札」はトランプの最も強い札で最後に使うもの。
◆後で後悔する
「後」が重複・・「後悔」は後で悔やむこと。
◆およそ3分ほど
「およそ」と「ほど」が重複・・「およそ」と「ほど」は同じ意味。この場合「およそ3分」や「3分ほど」といいます。
- 「12時の正午」 – 「正午」は「12時」を指すので、両方の言葉を使う必要はありません。
- 「予め事前に」 – 「予め」は「事前に」を意味するので、重複しています。
- 「自分自身」 – 「自分」だけで自己を指し示すことができるため、二重に使うことは不要です。
- 「共同協力」 – 「共同」は「協力」と同義です。どちらか一方を選んで使用すれば十分です。
- 「絶対に必要」 – 「絶対に」は「必要」を強調する言葉です。重複せずに「絶対必要」と表現できます。
- 「合意することに同意する」 – 「合意する」は「同意する」の同義語です。どちらか一方を選ぶことで表現を簡潔にできます。
- 「今現在」 – 「今」または「現在」のどちらか一方を選ぶことで、同じ意味を伝えることができます。
- 「未来の将来」 – 「未来」は「将来」を指しますので、両方を使うことは冗長です。
- 「小さな微細な」 – 「小さな」は「微細な」を強調するために使うことができますが、通常は不要です。
- 「最後に終了する」 – 「最後」は「終了」を示すので、どちらか一方を使うことが適切です。
二重敬語
「二重敬語」とは、日本語での敬語の使い方に関連する言葉です。通常、敬語は話し手と聞き手の関係を示すために使用されますが、時折、敬語の使い方が複雑になり、冗長になることがあります。
◇お立ちになられる
「立つ」→「立たれる」と、「お~になる」を二重に使用。「お立ちになる」「立たれる」が正解。
◇お帰りになられる
「帰る」→「帰られる」と、「お~になる」を二重に使用。「お帰りになる」「帰られる」が正解。
◇ご覧になられる
「見る」→「ご覧になる」と、「~られる」を二重に使用。「ご覧になる」が正解。
◇お書きになっていらっしゃる
「書く」と「いる」それぞれ別々に尊敬語にしている。
◇ご説明申し上げる
「説明」と「言う」をそれぞれ別々に謙譲語にしている。
まとめ
ビジネスマナーや言葉使いは、社会人として必要不可欠なスキルです。新社会人としては、これらのスキルを身につけることが求められます。以下に、ビジネスマナー、言葉使い、新社会人として知らないとマイナスになることをまとめました。