車を運転していると、信号も横断歩道も設置されていない道路で歩行者が渡ろうとしている場面に出会うことがあります。
「止まらなくても大丈夫なのでは?」と思うドライバーも少なくありませんが、実は歩行者保護の観点から法律上のルールが存在します。
この記事では、信号や横断歩道がない道路で歩行者を無視すると違反になるのか、また具体的な罰則やドライバーが守るべき注意点をわかりやすく解説します。
道路交通法で定められる歩行者優先の原則

道路交通法では、歩行者の安全を守ることがドライバーの義務として明記されています。
特に横断歩道では、歩行者の横断を妨げる行為は「横断歩行者等妨害等違反」として処罰の対象です。
しかし、信号や横断歩道がない道路でも、ドライバーには「歩行者に危害を及ぼさないように運転する義務」があります(道路交通法第70条)。
つまり、横断歩道がなくても歩行者が渡ろうとしている場合、無理に通過すれば安全運転義務違反になる可能性があるのです。
信号も横断歩道もない道路でのルールは?
結論から言うと、歩行者が明らかに道路を横断しようとしている場合に妨害すれば「安全運転義務違反」に問われる可能性があります。
横断歩道がないため「横断歩行者等妨害等違反」にはならないものの、歩行者の安全を無視した運転は道路交通法第70条の「安全運転義務」に違反するケースが多いのです。
(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
違反になる場合とならない場合の違い
下記は状況例の一部です。
状況 | 違反になるか | 説明 |
---|---|---|
横断しようとしている歩行者がいるのにスピードを緩めず接近 | 違反 | 安全運転義務違反(第70条) |
歩行者が道路の端で立っているだけ | 違反にならない | 渡る意思が明確でないため |
横断中の歩行者を妨害する | 違反 | 事故に直結するため厳しく罰則 |
適用される罰則について
信号・横断歩道のない場所で歩行者を妨害した場合、適用されるのは「安全運転義務違反」。
- 反則金:普通車の場合 7,000円
- 基礎点数:2点
となり、違反歴によっては免許停止の可能性も出てきます。
交通事故の発生状況
令和2年から令和6年までの過去5年間で、自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は5,296件発生しており、約7割の3,661件は歩行者が横断中の事故です。 また、横断中の事故のうち、約6割の2,363件が横断歩道以外の場所を横断している時に発生しており、その中の約7割は、走行中の自動車の直前直後を横断したりするなどの法令違反がありました。
参考:警視庁
ドライバーが守るべき注意点
- 横断するかもしれない歩行者を見つけたら減速する
- 歩行者が立っているだけでも渡る可能性を意識する
- 後続車に注意して、安全に停止できる距離を確保する
- 夜間や見通しの悪いカーブでは特に速度を落とす
まとめ
信号や横断歩道がない道路でも、歩行者を無視する運転は安全運転義務違反として処罰される可能性があります。
反則金や違反点数だけでなく、事故のリスクも高まるため、常に歩行者の存在を意識し、余裕をもった運転を心がけましょう。
- 「横断歩道がなくても歩行者に配慮する」
- 「安全運転義務を守る」
- 「住宅街・学校付近では特に慎重に」
これらを意識するだけで、事故防止と違反回避の両方に効果があります。