マンションの防音性を確かめる方法 遮音性能(D値/L値)とは?

コンクリート

マンションを選ぶ際には、防音性能と耐火性能が重要な要素です。防音性能はL値という指標で評価され、数字が小さいほど外部の騒音を遮断しやすくなります。また、耐火性能の高いマンションでは耐火被覆材が使用され、火災時に安全を確保します。

防音性能に関する基準値であるL値と、耐火性能の高いマンションに使用される耐火被覆材についての概要の情報をもとに、安心して生活できるマンションを選ぶ際の参考になればと思います。

マンション防音物件選びは「L値」で判断

コンクリートマンション部屋の写真

コンクリートマンションを選ぶポイントの一つが遮音性能です。これはコンクリート施工内容に大きく関係します。

床の衝撃音性能を現す数値を「L値」といいます。

「L値」は「軽量床衝撃音」「重量床衝撃音」2種類あり、軽量が「LL」、重量が「LH」という単位で示され、それに付随する数字が小さいほど遮音性が高いということになります。

コンクリートマンション高遮音性能

ご近所トラブルに発展しかねない衝撃音対策とコンクリート床の厚さは事前チェックが大切。遮音性能は「L値」数値で確認できます。その他コンクリート床の厚さ、二重天井や二重床なども合わせて確認しましょう。

重量床衝撃音(LH)

重量床衝撃音とは、人が歩く音、飛び跳ねたりする音、洗濯機の振動などです。推奨はLH‐50以下

LH‐40:遠くから聞こえる感じ
LH‐45:聞こえても意識しない
LH‐50:小さく聞こえる
LH‐55:聞こえる
LH‐60:よく聞こえる
LH‐65:発生音がかなり気になる
LH‐70:うるさい
LH‐75:かなりうるさい
LH‐80:うるさくて我慢できない

軽量床衝撃音(LL)

軽量床衝撃音とは、食器を落とす音、椅子を引きずる音、ゴルフボールを落とす音などです。推奨はLH‐45以下

LL‐40:ほとんど聞こえない
LL‐45:小さく聞こえる
LL‐50:聞こえる
LL‐55:発生音が気になる
LL‐60:発生音がかなり気になる
LL‐65:うるさい
LL‐70:かなりうるさい
LL‐75:大変うるさい
LL‐80:うるさくて我慢できない

コンクリートマンション遮音性能に適した構造

マンションを選ぶ際、遮音性能についての(LL)や(LH)数値とともに「床のコンクリートの厚さ」も調べましょう。

床のコンクリートの厚さは20㎝以上がベスト

この情報はパンフレットや設計図で確認できます。情報が記載されていなくても担当者に尋ねると教えてくれます。

天井と床は二重構造

二重天井や二重床は直天井や直床に比べ防音効果がありますが、必ずしも遮音性能が高いとは限らないのですが参考程度で確認しておくといいです。

ちなみに、二重天井や二重床は、防音効果が期待できることやリフォームがしやすいなどのメリットがありますが、逆にコストが高いというデメリットがあります。

排水管

意外に知られていないのが、「排水管」の音です。

マンションの上階から下階に流れる排水管の騒音は生活上のストレス原因の1つです。一般的に排水管の位置は洗面所やお風呂場といった水まわりに有りますが、まれにクローゼット内に配置されていることがあります、この場合寝室に接していたら要注意です。

他人の生活音が気になる方は事前チェックが必要です。

「L値」同様、パイプスペース(排水管)も図面で確認しましょう。

マンションの耐火性能

鉄筋コンクリート造のマンションは火に強く、耐火建築の代表としての知名度はどても高いですが実際のところはどうなのでしょうか、コンクリートが火災に遭うと、性質はさまざまな変化を見せます。

火災が発生すると、燃焼が始まり、徐々に室内の温度が上昇し、火災発生から5~10分で室内の温度は約500℃に達し、さらに火災が進行すると、室内の温度が急速に上昇し、可燃物が一斉に発火する現象、フラッシュオーバーが発生すると、室内温度は瞬く間に約1000℃にまで上昇すると言われます。

マンション火災で何度まで耐えられるか

コンクリートは、500℃程度以上に熱せられると、急激や弾性が低下します。しかし、炎を出して燃えることはなく、比較的熱を伝えにくいため、短時間加熱しても表面が劣化するだけで、ある程度の厚みがあれば内部への熱伝達を抑えることができます。

一方、鋼材も高熱で燃えることはありません。しかし300℃以上に熱せられると、強度は急激に低下し始め、500~600℃で常温の時の約半分程度になってしまいます。しかも、熱を伝えやすいので鉄骨造の梁や柱は、火災で800~1000℃くらいの高温になると変形し、崩壊する恐れすら出てきます。

ただ、コンクリートは常温に戻しても強度は戻りませんが、鋼材は常温に戻すと強度が回復します。

耐火性能を保つ

では、このコンクリートと鋼材を合成した鉄筋コンクリート、鉄骨コンクリート、どうすれば耐火性能を保つことができるでしょうか。

それには、高熱に弱い鉄筋や鉄骨の表面を、熱を伝えにくい材料で被覆して高温にならないようにします。例えば、鉄筋コンクリートでは、コンクリート内部の鉄筋を火災の熱から守るため、コンクリートのかぶり厚さを十分にとることが重要になります。

最後に

人生で大きな買い物といえば家の購入ではないでしょうか。決して安くない買い物、一時金で買える人はごく一部でほとんど人は分割払いで契約し、何年も支払い続けるわけです。そんな安くない物件が何の対策も講じていない物件だったら大変です。

マンション物件選びの場合、ポイントは遮音性能と耐火性能の対策を講じていることが質が高い物件の第一条件です。

このようにコンクリート耐火性能や防音性能の知識を身に付けておくだけで、マンションを選ぶ際にとても有利に進められます。是非とも参考にしてください。

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